BMW E91 325i
ABS警告灯がついてしまったとのことで、ご来店いただきました。
故障診断
▼ 点灯していた故障ランプがこちら
- ABS
- DSC
- タイヤ空気圧
入力されていた故障コードはこちら
5DF1 DSCハイドロポンプモーターコネクター
また、履歴に【スピードセンサー右後ろ】が入力されていたので、部品交換をしました。
修理完了後に、故障コードを消去しようとしても右後ろスピードセンサーが消えません。
スピードセンサーの初期不良の可能性も考えて、新しい部品と交換しましたが、再び同じコードが出てしまいます。
データーロガーで確認すると右後ろだけ反応していませんでした。
スピードセンサーが正常となると、配線の可能性があります。
しかし、スピードセンサーとABSユニット間の配線もチェックしましたが、こちらも問題ありませんでした。
残るは、ABSユニット内部のスピードセンサー回路の不具合が考えられます。
テスト用のABSユニットを取り付けたところ、スピードセンサーの反応がありました!
ということで、ABSユニットの不具合と判断ができました。
修理
ポンプの部分は修理で、基板を新品交換にします。それでもABSユニット全体を新品交換するよりコストを抑えることができます。
(▲よくある故障では、ABSユニットを分解し、ポンプと基板の両方を修理します。ディーラーさんでは、このABSユニットを分解することはないので、まるごと新品交換という流れになります)
新品部品の在庫がなかったために、ドイツオーダーになりました。
お客様にはお手間をおかけしてしましましたが2度ご来店いただいての作業です。
ABSポンプ部分は修理済みなので、基板の部分だけ新品に交換します。
新しい部品にはシールがついてくるので交換します。
エア抜き作業をして交換作業は終了です。
コーディング作業
続いてコーディング作業に入ります。
E90系のコーディングには、MOSTコネクターの接続が必要です。
MOSTケーブルは助手席前のコンソールボックス内にあります。
MOSTケーブルを繋げたところです。
これで診断機がコーディング作業に入ります。
DSCのコーディング後に設定がされていないと表示されるエラーコードです。
故障ランプもまだ点灯したままです。
サービスの項目を選んで、シャシを選択します。
続いてスタビリティーコントロールシステムを選択
DSCセンサー調整とDSCユニット調整の2項目を調整します。
続いてプレッシャーセンサー調整をします。
続いてDSCバルブ調整を実施します。まずはインレットバルブから調整します。
続いてセパレートバルブ調整をします。
このバルブ調整はVW AUDIと同じです。
バルブ調整が終了したら、コーディング完了です。
すべての工程が終了しました!
今回ABSの基板部分は修理不可でしたが、ABSユニット新品ASSYでオーダーするよりはコストを下げることができました。しかし、弊社でよくあるオーバーホールだけの対応に比べると、金額負担は多かったと思います。
今回のような事例……《スピードセンサーの不具合と故障コードが出て、実はABSユニットの本体故障だったケース》は、弊社でABS修理、年間約1000台のうち100台ぐらいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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